趣味がない。

雑談。

柱を蹴った男

ある混み合った地下鉄の乗り換え駅のこと。乗り換えるホームに向かうと、その男が歩いていた。くたびれた黒いパンツにユニクロの薄いダウンをまとい、フリースのネットウォーマーからは調節用ゴム紐が飛び出している。
ガン。
ホームの階段に向かうルート上にある太い柱を男が蹴った。おそらく蹴ってしまった。なぜなら
「おお、悪かった」
とばかりに、柱を軽くなでてからホームに向かったのである。きっと悪くない男なのだろうなと、勝手に決めつけいつもの号車の列に並んだ。